年金担保融資

年金担保融資

 近年、国会の方では少子高齢化の影響から年金問題が盛んに審議されているようです。支給開始年齢の引き上げと年金減額問題は、一般の人に取っても関心を注がずにはいられない問題なのです。ここ数年、この年金制度を悪用した悪質な金融が問題になっています。この年金を使った悪質な手口とは、どう言うものでしょうか。

 高齢者に取って、国から支給される年金は命の拠り所とも言える大切なものです。しかも、この年金支給額は殆どの人にとって生活していく上でギリギリの額だと言われています。貯蓄の乏しい年金生活者は日々節約を強いられながら、つつましく生活されている訳です。しかし、暮らしには不意の出費が付き物です。病気や怪我になれば当然病院での治療費が必要になってきます。また、親戚の冠婚葬祭にもそれなりの出費が掛かるでしょう。若い現役世代なら、お金に困る事態になっても何らかの対応が可能ですが、年金だけで暮らしている高齢者が困窮してしまうと対処する手立てがないのです。

 年金制度を悪用した悪質業者は、こんな高齢者をターゲットにします。「年金を立て替えます」「年金で現金を!」等の広告を見て融資申し込みに来た年金受給者に対して、業者は年金証書や預金通帳、印鑑、キャッシュカードを預かり、幾らかの現金を融資します。後は年金の搾取です。命を支える大切な年金さえ奪い取る悪質業者は後を絶たないと言われています。

 このような困窮した年金生活者を救済する公的な制度があるのです。これは、行政法人の福祉医療機構が行っている年金担保貸し付け事業と言って、一定の条件を満たす年金受給者に対して最大250万円の融資を行うものなのです。貸し付け利率は年金担保融資で1.6%と言う低利になります。残念ながら、困窮した年金生活者を支援するこの制度は一般的に周知されていないようです。生活に困窮された高齢者の方は、まず役所等の公的機関に相談される事をお勧めします。数多くの違法金融業者の中でも、弱い立場のお年寄りを食い物にする年金担保の違法業者は極めて悪質です。