システム金融

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システム金融

 消費者金融の悪質業者は実に様々な手口を考え出します。一時期マスコミを賑わした中小企業や零細企業相手にに高金利で融資を行うシステム金融もその一つになります。まず、この金融業者は中小企業や零細企業に対してFAXやダイレクトメールを送っていきます。その内容は「事業者向けローン!即日現金!」「貴社の口座にご希望の額を振込みます!最短30分!」等と言う、いかにも怪しいものですが、経営の苦しい社長はこのFAXやメールを捨てずに机の引き出しにそっと入れておきます。もし会社がピンチになった時の救いになれば、との思いでしょうか。

 バブル崩壊後の日本経済はかってない不況に陥ります。好景気の時は中小企業への融資にも積極的だった銀行は、一転、追加融資どころか返済期限がまだ到来していない融資の返済まで強く迫ってきます。いわゆる「貸し剥がし」です。当時の銀行はバブル期の過剰な貸し付けによって大量の不良債権を抱えていました。こうした背景から、回収可能な債権は出来る限り回収に走る銀行が少なくなかったのです。これでは、ただでさえ不況のあおりで業績が厳しい小さな会社はたまったものではありません。そんな窮状の会社をシステム金融業者はターゲットにしたのです。

 資金繰りが厳しくなった会社は、今日中にまとまった現金を口座に用意しなければ不渡りを出してしまう場合があります。このピンチに社長自ら八方手を尽くして金策に走りますが、どこも緊急融資などしてくれません。思い余った社長は、あの金融業者からのダイレクトメールを思い出して藁にも縋る思いで連絡をしてみます。システム金融の仕掛けた罠に獲物自ら近寄ってしまったのです。

 業者に連絡して80万円の緊急融資を申し込むと、一週間間隔の3枚の約束手形か小切手を切る事を要求されます。額面は3枚合計で120万円です。それが後になってどんな結果を生むかよりも、どんな手を使っても今日の不渡りを回避したい社長はこのシステム金融の融資を受けてしまいます。原本は後から指定郵便局の局留めへ送るとしてコピーを業者にFAXすると、1時間後には口座に80万円が入金されていました。会社は最大のピンチを脱しました、と思ったのは社長だけかも知れません。やがて返済日が来て相変わらず金策に困窮していると、何故か別の業者から融資勧誘のFAXが届きます。この綱渡りが始まると会社はもう沈み始めているのです。もうお分かりだと思いますが、最初の業者と次の業者、その次に現れる業者は全て同じシステム金融業者なのです。融資に際して業者の事務所で面談する訳ではないので、複数の社名と電話番号を伝えられると別々の業者だと思い込んでしまうのです。小切手や手形の郵送先は相手の分からない郵便局の局留めです。

 このシステム金融の罠に掛かった会社は、結局倒産へ導かれてしまいます。では、最後の手形を掴んだ業者が損を被りそうですが大丈夫です。倒産に至るまで手形で貸し付けた業者は全て同一の業者なのです。このシステム金融は、切羽詰まった会社の窮状に付け込む実に悪質な業者です。貸金業法の改正によって、ヤミ金融は激減したと言われています。しかし、過払い請求が非常に困難な、姿を見せないシステム金融は現在でも水面下で動めいているようです。個人でも会社でも、違法な融資に縋った段階で破滅の道を辿り始めているのです。

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