どんな業界にも悪質業者は存在します。消費者金融において、違法業者と悪質業者は同一ではありません。貸金業の改正によって事実上廃止されたグレーゾーン金利ですが、過去にこの金利で融資契約をしていた業者は全て違法業者と言う事になります。
このグレーゾーン金利と言うものは、刑事罰の対象ではありませんが民事上では容認されておらず、過払い利息分については債務者の返還請求に応じる義務があると言うものです。1990年当時の殆どの大手消費者金融会社は、このグレーゾーン金利で業務を進めていたのです。しかし、これらのグレーゾーン金利を適用していた業務自体はまだ悪質業者と言う指摘を受けていませんでした。
2006年に、大手5社を含む消費者金融10社が、融資契約の際に消費者金融を受取人にした生命保険を債務者に加入させていた事実が明るみに出ました。債務者自身がこの保険契約を知らない場合もあったのです。この契約では、債務者が死亡した場合は保険金は遺族に渡らず消費者金融に全額支払われる事になっていました。2005年に大手5社はこの生命保険によって4万件近い支払いを受けており、自殺によるものはこの内の3649件と伝えられています。死亡した債務者に過払い利息があっても、遺族にはその事実は伝えられなかったとされています。どんなにクリーンなイメージを打ち出していても、このニュースは消費者金融業界の闇の部分を改めて世間に知らしめる事になったのです。