現在の日本の法律には総量規制という借入の制限が法律で設けられています。総量規制とは貸金業者からの借り入れが年間収入の3分の1を超えて借り入れをすることができない制限です。
総量規制の対象となるのは消費者金融会社からの融資、クレジットカード会社からのキャッシングが対象となります。クレジットカードのショッピングによる債務は総量規制の対象外です。ちなみに、ショッピングのリボルビング払い、分割払い、ボーナス払いは割賦販売法の対象となります。また、銀行からの借り入れは貸金業法の対象とならないので、総量規制の対象外です。総量規制は貸金業法に分類される法律のためです。
総量規制が施行されてからは借り入れの審査が厳しくなりました。仮に他社の消費者金融で借り入れをしていることをだまって融資申請をしても、消費者金融は信用情報機関を通して、その人が他社でいくら借り入れをしているかを調べることで、借入人の債務状況がわかってしまいます。収入の3分の1を超える融資を行った場合、貸金業者は法律によって罰せられてしまうので、消費者金融側は以前に比べて審査を厳しくしています。
消費者金融で借り入れを行う前には他社からの借り入れがいくらあるのかを確認しましょう。
日本情報信用機構では個人情報の開示を行っています。現在の自分の借り入れ状況を確認することができるので、新たに融資を受ける際には事前に問い合わせをすると良いでしょう。
また、消費者金融は以前に比べ借り入れの審査が厳しくなったために、融資を受けることができない人が増えています。上限金利が年利20%に引き下げられたことにより中小零細の貸金業者の多くが倒産してしまいました。また、借り入れ側には総量規制という借入の上限が設けられ、収入の3分の1を超える借り入れは出来なくなりました。しかし、日々の生活費や住宅ローンなどの借金を返すために消費者金融からお金を借り、自転車操業をしている人がたくさんいます。そういった人たちは大手消費者金融から借り入れができないため街金やヤミ金に手を出してしまうケースもあります。
そもそも、この上限利息が引き下げられたことや総量規制ができた背景には消費者金融の過剰な取り立てや、ヤミ金の脅迫などの社会問題が発生したため、貸付人と借入人、双方に規制を設けました。無担保で融資を受けられたかつての消費者金融事情からすると、現在の消費者金融はクリーンで厳正といえるでしょう。
借り入れ側にとっては確かに簡単に融資を受けられるサービスが規制されたためお金が必要な時にすぐに借り入れをすることができなくなりました。しかし、簡単に融資を受けることができてしまうと、必要以上に借り入れをしてしまい、最終的に過剰債務に陥ってしまいます。そういった意味で総量規制が設けられたことにより借り入れ側にとってもお金の使い方を考える、つまり、目的を持ったお金の借り方を考えるようになったと言えます。
消費者金融からの借り入れは簡単でスピーディです。その代り、利息が高いことを十分に理解したうえで、目的をもって借り入れを行うことが大切です。