アメリカの消費者向け金融市場は非常に大きな市場となっています。世界で一番の消費大国であるアメリカは消費者向けの各種ローンが充実しており、そのローンを利用することで一般消費者たちは住宅や車やその他の消費財を購入できています。もっとも利用されている金融商品はクレジットカード、住宅ローン、自動車ローンの3つです。
日本のように小口融資を専業とした消費者金融という業態はアメリカでは無く、クレジットカードのキャッシングが日本でいう小口融資に当たります。アメリカでは信用力の高い消費者層のことをプライム層と言い、信用力の低い消費者層をサブプライム層と言います。プライム層とサブプライム層とでは金利に違いがあり、前者は金利が低く、後者は金利が高くなります。
アメリカは州によって法律が違うため適用される上限金利にも違いがあります。しかし、サブプライム層に対する金利は年利20%を超えるのが相場のようです。
アメリカの消費者金融市場の特徴はサブプライム向けの金融商品を積極的に販売する点にあります。サブプライム層は銀行で口座開設ができない人たちも含まれており、それらは全体の3割強にも及んでいます。なぜ金融機関が貸し倒れのリスクを背負ってまでサブプライム層へ融資を続けるか?それは貸し倒れる前にその債権を他の金融機関へ転売することを目的にしているからです。これが、2006年に問題になったサブプライムローン問題です。サブプライム層は支払い能力が著しく低いにもかかわらず融資を受けることができてしまいました。その結果、貸し倒れが次々と発生し、金融危機に陥ったのです。
アメリカの金融市場はそれ以降、規制が厳しくなりましたが、現在でも消費者金融市場は大きなマーケットとして捉えられているようです。